2024年4月21日

ヤギトコ地下実験室

Yagitoko Underground Laboratory Web site

Gibson CustomShop TrueHistoric LesPaul

TrueHistoric

2015-2016年 Gibson CustomShop LesPaul True Historic

2018年以降のGibson CustomShop HistricCollectionにはTrueHistricの仕様が受け継がれております。

それでは、ThrueHistricの仕様を見てゆきましょう!

**ヘッド&ネック部分** 

・ペグ:True Historicより採用となった”Broken” Peghead Edges, Smoother Edges。ペグのプラスチック部分の形成の過程で発生する”折られた跡”を再現。 

・ロゴ:ヴィンテージを再現した形状/象嵌技法でセットされたブランドロゴ。素材は白蝶貝。 

・ペグ穴配列:ヴィンテージと同じ位置、配列のペグ穴。 

・ヘッド化粧板:ヘッドの突き板は70年代途中から変更されたプラスチック素材から50年代後半と同様のホーリー材を使用。True Historicではさらに厚みにこだわり、以前のヒストリックコレクションより薄く形成され、オリジナル同様となった。 

・ヘッド:ヘッドの外周形状、寸法もヴィンテージ同様となっている。また厚みも先端に行くほど徐々に薄くなるヴィンテージ同様の形状となっている。ヘッドサイドの接ぎ木の部分もサイズの見直しがされている。 

・トラスロッドカバー:トラスロッドの座繰りの形状と位置もヴィンテージと同様。 

・ナット:当時と同じナイロン素材を使用している。サウンド面でよりヴィンテージライクなると言われている。 

・ポジションマーク:50年代に流通していたセルロイドに近い素材、模様で再現されている。 

・バインディング:True Historicより、専門の職人が仕上げる”ロールドバインディング”と呼ばれる技術が採用された。バインディングのエッジからネックまでを曲面で形成し、新品のギターでありながら長く弾き込まれた感覚が得られる。 

・トラスロッド:ネックの矯正用に仕込まれたトラスロッドは、旧来のチューブで覆われた方式からヴィンテージ同様のチューブレスへ変更されている。鉄の素材がそのまま埋め込まれることにより、サウンドがよりヴィンテージライクになると言われている。 

・フレット:ヴィンテージ同様の形状。True Historicでは以前より若干細くなっている。 

・ダブルカーブドネック:ヴィンテージ再現とフィット感を追求するために、機械による切り出しをラフカットとヴィンテージプロフィールカットの2回に分けて行われた後、職人の手作業で仕上げられる工法。また、ネックのヒール部分の形状も見直しが図られている。 

・ネック素材:1ピース マホガニー 

・フィンガーボード素材:ソリッド インディアンローズウッド 

・接着:ネックとフィンガーボードは50年代同様ニカワで接着されている。 

**ボディ部分** 

・ボディ形状:エンドピンの位置、ショルダー部分、カッタウエイシェイプ等、見直しが行われている。またヴィンテージ同様ボディの厚みもボディエンドに向け薄くなるテーパードボディが再現されている。また、トップのメイプルもグレードに沿ったものが厳選され、バックのマホガニーは軽量で良質の木材が人の手で一つずつ選ばれている。 

・ボディとネックの接合部分:ネックのジョイント部分がフロントピックアップ部分まで伸びたロングネックテノンを採用。接合の位置もヴィンテージ同様17フレットのやや下部分で接合されている。 

・指板エンド:オリジナルでは大小個体差のある部分だが、指板エンドとピックアップリングとの小さな隙間はこだわりの部分として再現されている。 

・バインディング:ヴィンテージ同様の厚みを再現。カッタウエイ部分はトップのメイプルとバックのマホガニーの継ぎ目が見えるおなじみの工法がとられている。 

・ピックアップ座繰り:ボディの中での位置、形状をヴィンテージと同じくし、座繰りの底面には3度の角度がつけられている。 

・トップカーブ:True Historicから導入されたDouble-Carved Top。ネックと同様、機械による2段階にプログラミングした曲線を作ったのち、人の手によって”ディッシュ”と呼ばれる芸術的なカーブが再現される。 

・トップとバックの接合:True Historicから導入されたハイドグルーと呼ばれるニカワでの接合が実現した。これは今までほとんどの再生産モデルが実現できていなかった。 

・トップの厚み:メイプルトップの厚みも見直されている。 

・テイルピース:テイルピースのホールの深さもヴィンテージ同様深く加工されている。またブリッジとテイルピースの位置も見直されている。 

・コントロール部分:ノブの位置、裏側の座繰りの位置、形状、ジャックの位置などヴィンテージ同様になるよう改善されている。また、目に見えない内部の配線溝もサイズを指定して掘られている。 

・塗装:既存の工程よりさらに手の込んだ段階を踏み完成される薄い塗装がTrue Historicより採用された。 

**ハードウエア/パーツ** 

・ピックアップ:ヴィンテージPAFに近づけたカスタムバッカーを搭載。ワイヤーの素材、コイルの素材、ポールピースの素材、マグネットのナットからの距離までもこだわって作られている。マグネットの素材はアルニコ3、サイズは6.35cmのロングサイズ。フロントの抵抗値は8.0k、リアの抵抗値は8.5kに設定されている。またピックアップカバーもオリジナルを分解し新たに作成。 

・True Historicではプラスチックパーツ:コントロールノブ、トグルスイッチキャップ、トグルスイッチワッシャー、ジャックプレート、ピックガード、ピックアップマウントリングを一新。50年代のヴィンテージパーツを分解裁断、内容の再分析を行い、素材のみならず構造から見直されたパーツがマウントされている。 

・ブリッジ:ボディに直付けされたヴィンテージタイプのABR-1を採用。 

・テイルピース:ヴィンテージと同じ素材のアルミニウム素材を採用。ブリッジを支えるスタッドもヴィンテージと同じ鉄製。長さもロングタイプとなっている。

**ヒストリックセレクト** 

True Historicと同様の内容で、さらにディーラーがギブソン工場で現地スタッフと共に材を選定。カラーも通常にないものをオーダー可能なモデルです。 

**コレクターズチョイス** 

実在するヴィンテージレスポールを忠実に再現したシリーズ。こちらも2015年からTrue Historicスペックに変更となっています。 

「True Historic の特徴的なSPEC」 

・貴重なオリジナルパーツを切断し成分分析。シェイプ、サイズなどの外見はもちろん、下地処理からメッキの厚み、ポールピース穴、メッキ前の研磨工程により見られるユニークな特徴まで含めて完全再現!! 

・Double-Carved Top に関しては、ボディエンドに向かって1.27mm薄くなっていくテーパー加工が施されています。この誤差の様な数値をスペック化するために、CNCルーターによるカービングを2回、しかも倍以上の時間をかけて行うのがダブルカービングです。ボディエンドに向かって薄くなっていく加工は、弦振動がボディエンドへ向かって広がり倍音となるのでボディ鳴りの向上が期待できます。ボディ中央部のフラットなエリアからの形状、そしてサイド・エッジ部のくぼみ部分など、さらに再現度を増した美しいボディ・トップ&シェイプが実現。 

・新たに採用したハイクオリティ・ラッカーと、下地処理からコーティング数まで、塗装のすべてのプロセスを見直すことで実現したビンテージ同様の薄い塗装により、ボディ鳴り、塗装のクオリティともに高めています。 

・“ロールド・バインディング”と呼ばれるネック・バインディングのエッジから、ネック・シェイプへとつながる曲面は、新品のギターでありながら長く弾き込まれたビンテージのように手に馴染むのが特徴。 

・ハイドグルー(にかわ)を、ボディ・トップとバック部分の接着にも採用。 

これにより、ネック+ボディ、指板+ネック、ボディ・トップ+ボディ・バックがニカワ接着に。 

“True Historic Series”は「真のヴィンテージ・レスポール」を再現すべく、かつてないレベルで生産工程の見直しを行っています。 

その結果、生産効率とクオリティーのキープを考慮し、年間での生産も厳守。 

1958年モデル全色が300本、1959年モデル全色が800本、1960年モデル全色が200本となっています。(Historic Selectは除く) 

これまでのヒストリック・コレクション(1959年 LPモデル)で年間3,000本以上を生産という事ですから、如何にこの本数が少ないかという事がお分かり頂けるかと思います。 

2015-2016年に制作されたGibson CustomShop LesPaul True Historic

2017年は、その姿を消してしまいますが、2018年に復活、名前こそTrue Historicでは無いもののTrue Historicの仕様は受け継がれて生産されました。

2018年以降も、Gibson CustomShop HistricCollectionにはTrueHistricの仕様が受け継がれてゆきます。

2019年からは、ボリュームとトーンのポットがビンテージ仕様に変更されました。コンデンサーは、従来のレプリカバンブルビーを廃止し、ヴィンテージサウンドを追求した「Luxe社製 レプリカバンブルビー」を採用。指板と指板インレイも変更されました。指板は、ローズウッドからボリビアローズウッド&インディアンローズウッドが採用されました。インレイのカラーがアンティーク調のカラーに変更されました。

2020年からは、ピックアップがロウ漬けされていた物からヴィンテージと同じ様にロウ漬けされてないノーポッティング仕様に変更されました。それによってハウリングには弱くなるものの、よりタッチに繊細になり良い意味で音が暴れ易くなり音の表現力が増したようです。

このように、Gibson Custom Shop HistoricCollectionは、進化し続けております。